Doctor Column院長コラム

Vol.13 尋常性座瘡に対する新しい外科的治療法(マイクロ排膿)の有用性に関する後方視的検討(第119回日本皮膚科学会総会)

2020年06月25日

6月4日、日本皮膚科学会で当院のニキビ治療について発表をおこないました。これまでも、何度か当院のニキビ治療についてはホームページなどでコメントしてきましたが、皮膚科学会での発表を補足する内容で述べてみたいと思います。

マイクロ排膿法は、毛包壁に微小切開を加えて内容物を押し出す方法ですが、たとえ小さくとも、毛包という袋がパックリと開きますので皮脂腺の導管内にある皮脂も含めて毛包内の内容物は全て排出されます。


H: head of a comedo, C: corpus of a comedo, T: tail of a comedo
Tsukayama A, et al:J Dermatolog Treat;30(8):802-808.2019

そのため、外から見えていた内容物によるクスミは消失し、そして、炎症による発赤や色素沈着もいずれ消失してしまいます。微小切開による傷跡は残りませんが、膿疱性ニキビや嚢腫性ニキビの排膿後に萎縮性瘢痕をおこす可能性があります。萎縮性瘢痕が残った場合はフラクセル治療などを勧めることがあります。

2009年から2017年までの9年間にマイクロ排膿を行った4566人に対して、その有用性に関する臨床研究を行いました。1~10回、1~20回、1~50回までに治った患者数は4566人のそれぞれ85%、93%、99%を示すことが分かりました。

 

このことは、初診のニキビ患者4人の方が、1週間に1度マイクロ排膿を継続して受けた場合、3人強の方は1~10回(2か月と2週間)までの治療で治り、20回(5か月)まで続けると93%が治り、50回(約1年)もすれば99%の方が治るということを示しています。

改めて、マイクロ排膿法の持つ高い治癒力と治癒するまでの期間の短さに驚いています。このマイクロ排膿の手技はすべて公開していますので、多くの医療機関に普及していって、そして、ニキビの方のお悩みが解消し快適な生活が送れるようなってほしいと思っています。


開発したツカヤマ式にきびマイクロ鑷子(医師用)

神戸山手クリニックのニキビ治療

2020年6月25日