Beauty Column美肌コラム

3.表皮のターンオーバー

2018年10月11日NEWスキンケアに必要な皮膚の知識

3.表皮のターンオーバー
(1)表皮ターンオーバーの役割
表皮は内側から基底層、有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層、角質層の順に積み重なった構造をしており、厚さは0.1~0.3mm程度で、角質層の約10倍です。基底層の基底細胞が2週間前後のサイクルで分裂(2つのうち1つは基底層に残る)して生まれた細胞が、後から生まれた細胞によって押し上げられ、徐々に扁平な形に変化しながら皮膚表面に向かい、やがて角質細胞になり、最終的にアカとなって剥がれ落ちていきます。このように、表皮が常に新しい細胞に置き換わっていくことを「ターンオーバー」(表皮の新陳代謝)といいます。


表皮組織は基底層で生まれた細胞が角質細胞になるまでが約2週間、角質細胞になってから剥がれ落ちるまでに2週間、合計4週間、約28日をサイクルとして絶えず生まれ変わっています。月の周期と表皮・月経のサイクルが同じ28日なのは、生命が太古の海で生まれ、月の満ち引きに影響されて生きてきた名残と言われています。

また、表皮のターンオーバーは単に表皮細胞が生まれ変わるだけではなく、その過程で角質層の「W保湿」機能に不可欠の角質細胞間脂質(セラミド等)とNMF(天然保湿因子)を合成します。つまり、表皮ターンオーバーが順調でないとキメの整ったバリア力のある良質の角質層はできないということです。

(2)ターンオーバーの速度の変化
表皮ターンオーバーのサイクルは約28日ですが、皮膚の状態によってかなり大きく変化することが分かっています。例えば、日焼けをした時には、肌が赤く腫れ、その数日後には“皮が剥ける”という現象が起こってきます。これは日焼けによってダメージを受けた表皮が修復を急ぐために角質が剥がれ落ちて起こる症状ですが、この時のターンオーバーは非常に速まっています。

また、一般的に皮膚が炎症を起こした時は表皮のターンオーバーが速まり、通常4週間かかるところ、おそらく1週間以下になる場合もあるものと思われます。そして、表皮のターンオーバーのサイクルが速まると、角質細胞の生成が不完全で、角質層は小さく不揃いな細胞で占められ、角質細胞間脂質やNMFの生成も不足するため、バリア力が弱く乾燥した状態となり、肌荒れなどを生じやすくなります。

逆に、老化や寒さなどによって表皮ターンオーバーが遅れる場合もあります。表皮ターンオーバーが遅れると、角質細胞がはがれるまでの時間が延長することによって、結果的に皮膚表面に露出した古い角質細胞がより長時間表面に留まることとなり、その間に細胞の表面が粗造化して、滑らかさやつやを失ってくすみを生じます。

このように、表皮ターンオーバーには適度なサイクルがあり、それが早すぎても遅すぎても角質層の質を低下させ美しく強い角質層バリアの形成に支障を生じることになります。

(3)ターンオーバーに合わせた治療とスキンケア
患者様から、「どのくらいのペースで何回くらい治療に通えばいいですか?」という質問をよくお受けします。

例えば、皮膚に外傷を負って縫合する時期は通常1週間後ですが、この時期はかなりのペースで皮膚が回復しようとターンオーバーを早めています。皮膚の傷が回復するのに1週間、良くなるには最低でもターンオーバー1回転、さらに傷が綺麗になるには3ケ月~半年前後以上の期間を要します。

ですので、皮膚に炎症がある場合は、皮膚の健康を取り戻す期間として、治療期間としては少なくとも1週間に1度の通院を1ヶ月(ターンオーバー回転)~3ヶ月(ターンオーバー3回転。皮膚の炎症の程度により期間には違いが出ます。)、さらに、皮膚をより綺麗にしていく治療を望まれる場合は、フォトRF、ポラリス、フラクセルでコラーゲンを増やす傷あとをの治療や、トレチノインやハイドロキノンをホームケアで使って炎症後色素沈着を治療します。この時期は少なくとも3週間から1か月に1度のペースで5回程の通院をお勧めします。

最初の1ケ月目の来院ペースが多いほど、またお若い患者様ほど、皮膚が良くなっていくペースが速いです。

皮膚の健康を取り戻し、「綺麗な肌ですね!」と周りから言われるようになるには、半年~1年以上の治療とスキンケアの期間を要すのではないかと思われます。