Beauty Column美肌コラム

2.角質層のバリア機能

2018年09月30日NEWスキンケアに必要な皮膚の知識

2.角質層のバリア機能
(1)バリアの意味
皮膚の表皮の最外層を角質層といいます。角質層は角質細胞という死んだ細胞が数層から数十層積み重なった「ラメラ構造」をしています。角質細胞と角質細胞の間には細胞間脂質があります。角質層の厚さは0.01~0.03mmで外界とのバリアとして重要な役割を担っています。

私達は両生類のような厚い皮膚を持っていませんが、長風呂に浸かっても身体の中に水が入ってくることはなく、暑い夏に乾燥した屋外にいても少々のことでは干上がってしまうこともありません。これは、表皮の角質層が強固なバリアとして進化したおかげです。

バリア機能とは体内からの水分の喪失を防いで皮膚の水分含量を適度に保持するという意味と、体外からの細菌や化学物質・紫外線などを容易に侵入させないという2つの意味があります。

(2)保湿の主体
皮膚の保湿は皮脂膜と角質層が担っていますが、その主体は角質層にあります。角質層の保湿のしくみは「ラメラ構造」にあります。角質細胞の中にはNMF(Natural Moisturizing Factor=天然保湿因子)が含まれており、皮膚の内部からしみ出してきた水分を角質細胞内に取り込んで、角質細胞を構成しているケラチンを柔らかくし、一方、角質細胞間脂質はその水分を逃さないようにしています。角質層には水分を抱き込んで逃さないよう「W保湿」のしくみを備えています。

(3)セラミド 
角質細胞間脂質は脂質二重膜が層状に何層も積み重ねられ、ラメラ構造を形成しています。細胞間脂質の構成は重量比、セラミド50%、コレステロール25%、脂肪酸10~20%となっており、セラミドがラメラ構造の重要な役割を担っています。セラミドには親水面と疎水面があり、親水面で水と結合(結合水=蒸発しにくい)し、さらに疎水面で層を作っています。

(4)乾燥、肌荒れ(かぶれ)、敏感肌、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の違い
皮膚がかぶれている状態を示す言葉が多くありますが、いづれもバリア機能が壊れた状態です。軽いバリア機能障害から並べると、乾燥<肌荒れ(かぶれ)・敏感肌<アレルギー性皮膚炎<アトピー性皮膚炎となります。バリアが壊れると、微生物(細菌やウィルス)や化学物質が入りやすくなり、皮膚に炎症(発赤や腫脹、痒みなど)がおこります。真皮に炎症があると痛みが、表皮に炎症があると痒みが出ます。

①皮膚の乾燥はバリア機能が壊れそうな状態、②アトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)は無いが、擦り過ぎたりしてバリア機能が壊れ、皮膚に塗る化粧品等に刺激を受けやすくなるのが敏感肌、③何らかのアレルギーが原因で急性のアレルギー性皮膚炎、④アトピー素因があり炎症や湿疹が慢性化したものがアトピー性皮膚炎ということになります。

外界から何でも入りやすくなった状態の皮膚は何にでも刺激を受けやすいので、皮膚のバリア機能障害を治すにはシンプルなケアがお勧めです。水分とセラミドをの補給した後、皮脂の似た成分を持つホホバオイルかスクワランでカバーします。処方薬を使う場合はヘパリン類似物質を含んだビーソフテンローション等の保湿剤を使用した後、ビーソフテンクリームや白色ワセリン(プロペト)等でカバーします。炎症がある場合には冷やします。

参考図書
「美容皮膚科学」美容皮膚科学会監修 南山堂
「アロマ環境協会会報誌」