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 もうひとつのスキンケア(光老化の治療) 2006.08.30
皮膚の老化
老化のメカニズムには老化情報が遺伝子に組み込まれているとするプログラム説と生体を構成する分子が傷害されておこるとする分子障害説に大きく分けられますが、これら老化説に深く関与しているものとして注目されているのがフリーラジカル・活性酸素です。これらは体の錆の原因物質とも言えるもので鉄が錆びるのと同じように生体も錆びて老いていくと考えることができます。

生体は食物から吸収した栄養素と呼吸でとりいれた酸素をミトコンドリアの中で燃焼させてエネルギーを産出し生命活動を維持しますが、同時に活性酸素も作り出し老化していくという矛盾を内包しています。呼吸で取り入れた酸素のうち2%が活性酸素に変化するとも言われています。活性酸素やフリーラジカルは細胞膜やDNAを構成する脂質、蛋白質、核酸や酵素と容易に反応してそれらに障害や変性をおこし老化が進むのです。

一方で生体はビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、グルタチオン、α-リポ酸の5種類の抗酸化物質がネットワークを作ってフリーラジカルを処理する優れた生体防御システムを備えています。また紫外線を浴びると活性酸素は増加するが、同時にSOD(活性酸素除去酵素)も増えて活性酸素を処理することも知られています。人の抗酸化能力は全ての動物の中で最も優れているとされています。

皮膚の場合は体表部にあるため加齢性変化(chronological aging)以外に、紫外線、大気汚染、たばこなど環境要因の影響を受けやすく他の臓器よりもフリーラジカルが発生しやすく、いわゆるシミ、しわ、たるみなどの光老化(photo aging)が進みやすいと考えられます。光老化の関与は皮膚老化の8割にも及ぶとされています。このことは光老化対策をすれば皮膚のアンチエイジングは可能であるということにもなります。すなわち@紫外線やたばこ等への対策をすること、A活性酸素に対応すること、そしてBダメージをうけたDNAの修復をはかるということです。

皮膚の光老化対策 
@紫外線対策 
紫外線の中のUV−Aは320から400nmの波長で真皮まで到達するがUV−Bは290から320nmの波長で殆どは表皮までの到達です。DNAの吸収スペクトルは240nmから300nmの波長なのでUV−Aではフリーラジカルなどによる間接作用
が中心になるがUV−Bは直接、間接作用により細胞障害を起こすことになります。UV−Aは真皮のコラーゲンやエラスチンにダメージを与えしわやたるみの原因になります。UV−Bはメラノサイトを増やし日焼け後の長期的なしみや皮膚癌の原因となります。

サンスクリーンの効果の表示はUV−Bに対するSPFとUVーAに対するPAで表示されますがSPF30で95%ほどの紫外線がカットされるといわれます。紫外線は曇りの日も降り注いでいますのでしっかりとカットする必要があります。

 
 

A活性酸素の処理
食品添加物、抗菌性物質、農薬や防腐剤などは体内に入ると異物とみなされ、生体防御機構が発動されて活性酸素を発生させることが考えられるため、それらの含まれている食品やスキンケア用品はできるだけ避けることが大切です。
体内で発生したフリーラジカルにたいしては抗酸化ネットワークやSOD(活性酸素除去酵素)などを補強すべくビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、コエンザイムQ10、リポ酸などの抗酸化物質や種々のミネラルをとる必要があります。これ以外にもポリフェノール、野菜や果物に含まれる赤・黄色カロチノイド、ビタミンA,ビタミンB2、パンテノールなどの抗酸化物質があります。ビタミンやミネラルは体内で合成されることが少ないためしっかりとる必要があります。
飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が多くタバコを吸う習慣があるのに心疾患が少ないフランス人は赤ワイン(ポリフェノールを含む)を飲むからだと説明されfrench paradoxと言われています。長寿の沖縄地域でも紅芋、ウコン、豆腐など抗酸化作用のある成分を含む食材を多量に摂取しています。

皮膚においては体内では合成されないこれらの抗酸化物質やミネラルをイオントフォレーシスやソノフォレーシスで送りこんだり、日々のスキンケアで補給していくことが大切だと考えられます。(臨床的効果のエヴィデンスは確立されてはいませんが、理論的には正しいと思われます。)

 
BDNAの修復(ビタミンAの可能性)
ビタミンA(レチノール)は不安定な脂溶性ビタミンで動物組織内にみられ、野菜には見られないが、プロビタミンAとして黄・赤色カロチノイド色素の形で野菜に豊富に存在し、これらは肝臓でビタミンAに変換されます。ビタミンAは上皮細胞や体細胞の正常な分化や成長に不可欠とされ、その欠乏は若い動物の成長不良や生殖不能、癌発生率の増加などが指摘されています。皮膚においては表皮基底層の分裂・増殖が停止し、腺開口部の異常角化により腺腔が閉塞され毛嚢角化や鱗状化をおこし、また感染しやすくなるため抗感染ビタミンともいわれています。

 

ビタミンAの表皮への作用としては@ダメージをうけたDNAや細胞膜を修復し健全化する。A表皮細胞の分裂・増殖が促進されターンオーバーが速まり表皮再生が進み表皮は肥厚するB角層は滑らかで整然となるC細胞外基質が増え肌がしっとりとするDメラノサイトのメラニン過剰生産を抑制しメラニンの排出を促ししみを薄くするなどです。

真皮への作用としては@繊維芽細胞のダメージを受けたDNAを正常化するA繊維芽細胞を刺激し良質のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などを増やし小じわが改善され肌にハリがでる。また真皮上層部が肥厚するB真皮乳頭層の血管が発達し血色がよくなるC皮脂分泌が減少しにきびが軽快しべたつきがなくなるなどがあります。

このようにビタミンAには皮膚細胞の損傷されたDNAを修復正常化し皮膚を回復させ血色のいい健康的な若々しい肌にする作用があります。この効果は従来のスキンケアでは得られないようなとても質の高いもので、一度この美肌を手にしますとほとんどの方が継続してケアをすることを望まれます。ただ、ビタミンAは不安定で紫外線やフリーラジカルで破壊されやすいため、日々補っていく必要があります。

ビタミンAには何種類かありレチノイドと呼ばれますが相互に変換し合うと考えられます。レチノイドは皮膚内では80%以上がパルチミン酸レチノールとして蓄えられ、これがレチノール、レチナール、レチノイン酸に変換されます。レチノイン酸はビタミンAの生理活性物質であり細胞核で核内レセプターと結合し作用を発揮するとされてます。

いいかえるとパルチミン酸レチノールや酢酸レチノールを普段から補っていれば、必要なときにレチノイン酸が合成され細胞核に働いて皮膚細胞を正常化し、成長をうながして光老化を改善し健康な肌を取り戻せるということになります。

この肌にやさしいビタミンAは医薬品ではないため化粧品として使われていますが、その効果は光老化だけではなくアトピー性皮膚炎や種々の皮膚疾患に対しても期待できるものです。今後、これによるスキンケアの役割が医療においても大きく広がっていくように感じています。
 

トレチノインはレチノール酸の一種ですがその生理活性はレチノールの50〜100倍といわれ、またビタミンAの生理作用を発現するそのものであるためビタミンA本体といってもいいように思います。血中にも微量ながら認められるためこれによるアレルギーはないと思われますが肌に刺激的な場合があります。この反応はレチノイド反応とよばれますが詳しい理由はまだ解っていません。また、とても不安定な物質で皮膚蛋白と結合することにより安定化し目的細胞まで運ばれ、さらに細胞質内蛋白を介して細胞核に運ばれて作用すると言われています。
トレチノインは上手に使えば、比較的短期間で高い肌の若返り効果が期待できるため、またハイドロキノンとの併用で美白効果にも優れていて注目すべき治療法だと思っています。近年はトレチノインのエステル形であるレチノイン酸-d-δトコフェリルなどの新しいレチノイン酸も開発され、これは皮膚への刺激が少なく安全性が高いとされ今後に期待したいと思います。

 
 神戸山手クリニックの光老化に対するアンチエイジング

地球環境が悪化して皮膚癌の発生率が増加し皮膚環境も厳しくなっている中で、当クリニックは光老化による肌の衰えは予防あるいは治療をする必要があるとの立場からスキンケアやエステティック トリートメントや皮膚科治療を行ないたいと考えています。
皮膚の老化を速める紫外線をカットしまた酸化ストレスから肌を守るビタミンを含むいろいろな抗酸化物質やミネラルを十分補給して、
体が錆びるのを防いでいきます。さらに、ビタミンAを与えて錆びて老化した皮膚細胞を正常化し、健康で血色のよい若返った肌を取り戻していきます。これは従来の美容目的のスキンケアとは全く違った細胞老化学に基づいたスキンケアであり、その内容はむしろ医療的でその効果も従来のスキンケアでは得られないとても質の高いものになると期待されます。当然のことながら、この方法は光老化だけではなく毛孔性角化症や乾癬、アトピー性皮膚炎やその他の肌トラブルにも有効であると考えています。
スキンケア用品を取り揃え、またビタミントリートメントを設けてエステティック トリートメントも充実させ、さらにトレチノインも0,05%から0,4%までそろえましたので一度お試しいただきたいと思います。
 

     
   

 
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