皮膚科

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

痒みのある湿疹を主病変とし、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患のことをいいます。多くはアトピー素因を有しています。
治療の目標は完璧に治すということよりも、普通の生活ができるようにコントロールすることが大切です(日本皮膚科学会)
アトピー性皮膚炎に関してはその病因論、検査法、ステロイドなどによる治療においてとても優れたものがありますが、いまだ根治療法がないのも事実です

ところでアトピー性皮膚炎について従来のアレルギーの立場からではなく皮膚バリアの立場からとらえる試みがあります。

皮膚バリアの立場からのアトピー性皮膚炎のとらえ方

皮膚バリアについての理解を容易にするために動物の進化について少し触れます。 
4億年前に地上は現在とほぼ同じ酸素濃度になり、またオゾン層が完成しますが、そのころ植物が海から地上に進出し、その後3億6000万年前には動物が進出していきます。(ビタミンの話参照)

動物が海中から乾燥して花粉などの微粒子が飛び舞い、紫外線の降り注ぐ地上に進出し生存していくためには肺呼吸や手足の獲得と同時に皮膚の進化が必要でした。皮膚はサランラップのようなバリア膜を獲得して水分蒸発を防いで水分の多い体を保護し、また花粉や細菌やウィルスの侵入をブロックし、さらにはメラニンを沈着させて紫外線を吸収して核を防御するようになりました。

皮膚のバリア膜は表皮の角層が担っていますが角層は角質細胞がレンガ造りのように15~20層ほど重なり、表面は皮脂腺からでる皮脂でおおわれています。角質細胞の周囲は漆喰のように細胞間脂質で満たされ、それは水分子と主にセラミドから成るスフィンゴ脂質が交互に重なり合った20~30層のラメラ構造をしています。 この細胞間脂質がとても精緻な構造をしているために水や花粉や細菌やウィルスの透過を防いでいるのです。(スキンケアⅠ参照)

  • 1
  • 1

    細胞間脂質の電子顕微鏡写真
    美容皮膚科プラクティスより引用

Landman,1986より引用

左の図は細胞間脂質にセラミド等を供給する顆粒細胞にある層板顆粒の電顕写真ですがとても精緻な膜であることがわかります

ところでアトピー肌をコンピューターで肌診断すると皮脂量が極端に少ない方が多く、さらにセラミドが決定的に不足していることが解ってきました。すなわちアトピー性皮膚炎は皮膚バリア形成不全と理解することもできるということです。皮膚のバリア機能の低下により水分が蒸発してドライスキンになり、また花粉やハウスダストなどのアレルゲンや細菌に侵されやすく、すぐに湿疹や化膿性皮膚炎をおこしてしまうのです。

  • 1

    初診時画像、この後皮膚のリハビリ1回施術

  •  

  • 1週間後、2回目皮膚のリハビリ直前画像

  • 1週間後、2回目皮膚のリハビリ直後画像

  • 2週間後、3回目皮膚のリハビリ直前画像

  • 2週間後、3回目皮膚のリハビリ直後画像

  • 4週間後、5回目皮膚のリハビリ直前画像

  • 4週間後、5回目皮膚のリハビリ直後画像

神戸山手クリニックのアトピー性皮膚炎への対応

当院はアトピー性皮膚炎を皮膚バリア形成不全としてとらえ、皮膚バリアを補強するトリートメントを試みています。それがしっとり肌コースですが天然温泉源泉水やセラミドなどすべてご自身の肌に合った成分を使用しています。アトピー肌、敏感肌、乾燥肌や化粧品皮膚炎などのかたに試みています。

さらに、炎症の強い場合には他科でおこなう湿布などに相当する皮膚のリハビリをおこなって炎症を抑えつつ、皮膚バリアの補強に努めます。必要があればステロイドも使用します。

皮膚のリハビリをご参照ください